William Morris

Have nothing in your houses that you
do not know to be useful or believe to be beautiful.
美しいと思わないものを家に置いてはならない

Have nothing in your houses that you do not know to be useful or believe to be beautiful.
1834年、ロンドンの郊外に生まれたウィリアム・モリス。「美しいと思わないものを家に置いてはならない」と語り、手仕事からうまれる自然に根ざした美しさを発表しつづけました。
草花や樹木をモチーフとしたファブリックや壁紙は、150年以上経てもなお新鮮な魅力に満ちています。
近代デザインの創始者とうたわれる彼が残したデザインと「アーツ&クラフツ」の精神は、今に引き継がれ世界中の人々へ不変の美しさを届けています。

英国の思想家、詩人であり近代デザイン史上に大きな影響を与えたウィリアム・モリスがロンドン郊外の裕福なブルジョア家庭に生まれたのは、今から160余年前のことでした。 幼い頃より中世のロマンスの世界に憧れ、自然に囲まれた大邸宅で過ごす中で、のびやかで牧歌的な感性が養われていきます。 やがて聖職者を志してオックスフォード大学に進みますが、当時の新進社会評論家ラスキンの著書に感銘を受け、ラファエル前派の芸術家(バーン・ジョーンズ、ロセッティら)と出会い、建築・美術・文学の世界にのめり込んでいきます。 彼が新婚生活を送るために建てた「レッドハウス」は、設計から家具、壁紙、カーペット、タペストリーに至るまでモリスと友人達の手によるもので、“世界で最も美しい家”と呼ばれました。これを機に仲間と共に、“芸術と仕事、そして日常生活の統合”という理念を掲げたモリス商会を設立します。 1880年代には、モリス商会と同じ理想を持つ工房やアトリエが多く生まれ、1888年に開かれた美術工芸協会の展覧会の名をとって、彼らの運動を「アーツ・アンド・クラフツ運動」と呼ぶようになりました。 モリスの活動の中でも、ひときわ充実しているのが自然の樹木や草花などをモチ-フにしたテキスタイルデザインです。 このモリスのデザインは一世紀以上を経た今日でも少しも新鮮さを失わず、世界中で根強いファンに愛され続けています。

William Morris

(1834-1896) ウィリアム・モリス